気になる数字

【 1%以下 】


アメリカ医学会が肥満を病気と定義したのは今年の6月でしたが、ガンという言葉が細胞の異常によるさまざまな身体の変化を指し示すように、肥満も過剰な脂肪によるさまざま症状を総称する言葉として定義した方が良いという識者もいるようです。アメリカ最大の健康トピック、肥満についての報告です。
肥満にはある種のウィルスの存在があるとする研究があります。500人の被験者のうち、肥満の人の30%にこのウィルスが発見され、痩せている人たちでは11%にしか存在していないといいます、但し、この研究者は、肥満が感染するような性質のものであることは強く否定しています。この「肥満ウィルス」の発見は、肥満研究に警鐘を鳴らすものです。つまり、カロリー制限をして、トレッドミルでの運動を少しだけ余計にやることよりも、肥満解消のために他にもっとやれることがあるというのです。
今までに少なくとも84の肥満を引き起こす要因が特定されています。それらには、生物学的なものから心理学的なもの、そして環境的な要因まで含まれていて、世界中の研究室で肥満の犯人捜しが行われています。例えば、睡眠不足やある種の殺虫剤(腸内バクテリアの活動を弱めて食欲を亢進させ、消化を弱める)、曾祖父母の食習慣とひ孫の体重の関連性を指摘する研究者もいます。しかし、ひいおじいちゃんが何を食べたかを今更どうすることもできないわけで、今自分でコントロールできることをするしかありません。
食事と運動は肥満研究の「ビッグツー」ですが、その過去50年以上に渡る研究は肥満解消に貢献しているとはいえないようです。食事と運動によるダイエットは、長期的にみて1%以下の成功確率しかないのだそうです。つまり、体重増の原因はひとりひとり違っていて、食事と運動によるエネルギーバランスの公式を定義することは、ほぼ不可能だというのです。

戻る