気になる数字

【 0.37% 】


お酒を飲んでいないのに体内からアルコールが検出されたという不思議な話。
テキサス州の61歳の男性がめまいを訴えて病院にいくと、血液中のアルコール濃度が0.37%あり、医者は酔っ払っているのだと思いました。しかし男性は、アルコールは一切摂取していないと主張しました。
実は、この男性、自分の体内でアルコールをつくってしまうという病気にかかっていたというのです。つまり、体内にあまりにも多くの酵母菌を持っていて、自分の体がアルコール製造所の役割を果たしていたというのです。
この男性の妻は看護師で、夫が常に酔っ払った状態でいるのでアルコール検知器で息を測ったところ、0.33から0.4%のアルコールが検知されていました。これは、アメリカの0.08%という運転が許される上限をはるかに超えた値でした。
男性は、日曜の朝、教会に行った帰りなど、いつでも突然酔った状態になるのだそうです。医師たちは、男性を24時間の監視下においてアルコール摂取が全くないことを確認した後、改めて男性の血液中のアルコール濃度を測定しました。それでも0.12%あったそうです。全くアルコールを取っていないのに、です。
検査の結果、男性の体は、アルコール発酵やパンの製造に使われるある種の酵母に侵されていたことが分かりました。過去に足を骨折して手術した後、抗生物質を処方されていましたが、この薬が体内のバクテリアを殺してしまい、大量の酵母を体内に持つことになったと想像されています。男性は、毎日大量の炭水化物を摂取していて、結果体内の酵母が砂糖をエチルアルコールに変えてしまい、酔っ払いの症状を呈したというのです。
この男性の治療法は、炭水化物ダイエットと過剰な酵母をなくす薬でした。
このような症例はまれですが、過去には13歳の女の子が炭水化物をとっただけで酔っ払ってしまったそうです。また、3歳の女の子は、炭水化物をたくさん含んだジュースを飲んだだけで同様に酔ってしまうケースが報告されているそうです。
このような特異体質の患者は、時として誤解から失業や逮捕といった目にあうこともあり、医療関係者は注意深く接する必要があると結んでいます。

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