気になる数字

【 左右の鼻孔10センチの差 】


現在、アメリカには約520万人のアルツハイマー等の認知症患者がいて、2050年には約1,380万人になると予想されています。しかし、現在、アルツハイマー病の診断を下す確立した方法は存在しておらず、症状があらわれて初めてアルツハイマー病と診断されることも多いようです。
そこで、なんと「ピーナッツバター」と「定規」でアルツハイマー病を診断しようという試み。
フロリダ大学の実験では、アルツハイマー等の認知症患者と健常者90人に目をつぶり、口を閉じ、片方の鼻の孔をふさいだ状態で、ピーナッツバターの入った容器を被験者の鼻に近づけ、臭いを認識できた時の距離を測りました。90秒後にもう片方の鼻の孔についても同様に実験をしました。
すると、早期アルツハイマー病の18人が、左の鼻孔では右に比べて平均10センチ以上鼻に近づけないと臭いに気がつかなかったそうです。一方、非アルツハイマー型の認知症患者の場合はそのような左右の差が見られないか、左よりも右の鼻孔の方が臭いに鈍感だったといいます。
つまり、アルツハイマー病の患者だけに顕著な左右差が見られたというのです。嗅覚を支配する嗅神経と呼ばれる第1脳神経は、認知機能の低下がみられるときに影響を受けるもののひとつで、記憶の低下よりも早く影響を受けるのだそうです。
フロリダ大学では、このピーナッツバター検査をアルツハイマー病診断方法の1つとして採用予定です。早期にアルツハイマー病と診断できて、治療を早くスタートできるようになりますね。記憶力に自信のなくなってきた私もさっそく家で試してみようと思いますが、結果を知るのはちょっと嫌かも?

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