月1回連載
内田 和美の「フィットネス指導現場あれこれ」
第6回:音楽の速さと運動強度の関係
皆さんこんにちは。内田和美です。早いものでコラムも 6 回目を迎えました。
今回は『音楽の速さと運動強度の関係』についてお話をします。
皆さんは、エアロビクスエクササイズのレッスンで『運動強度を変化させる要因』という4つの項目があることはご存知かと思いますが、今回はそのうちの一つ 『音楽の速さ』にフォーカスします。
この項目は変化要因の3項目全てを網羅していなければならない要因のため、参加者に伝え難く、指導者側も疎かにしやすい項目です。
実は私も、養成コース生に理解してもらうまでに苦労した項目でした。
実際に現場でも分かりやすく、しかも押しつけがましくならないよう、参加者に促しながらの声掛けに、現在も取り組んでいる項目です。
【音に合わせて効果を出す】
『音に合わせて動きましょう!』と伝えていますが、ただ音と動作が一致しない心地悪さを改善しようとしているだけではなく、運動強度をコントロール(強弱/安定)させるための声掛けでもあります。
グループエクササイズが多様化すると同時に、あらゆるジャンルの音楽と触れ合いながらレッスンを楽しむ機会が増えてきています。
音楽を利用する目的は、クラスの雰囲気づくりや参加者のモチベーションを上げるためなど様々です。
グループエクササイズ指導者はこうした環境作りの他に、音に合わせてしっかり動く事で一定の運動強度が確保でき、体力の維持と向上に繋がるという身体で感じる効果を明確に伝えていきましょう。
ここで先程の『運動強度を変化させる要因』4項目について確認してみましょう。
【運動強度を変化させる4つの要因】
①身体重心の移動距離を確保する
②参加筋群の量の増減を行う
③筋の活動量を増減する
④音楽の速さ
「音楽の速さ」は、一定の音楽の速さの中で行う動作の反復回数が安定している、若しくは回数を増減させることで、運動強度を変化させる要因となります。
但し、ハイインパクトエクササイズ(ジョギングやジャンプ)では、音楽のピッチを速めると重心を引き上げる高さが減少して身体重心移動が少なくなるため、この要因が効果的ではなくなります。つまり、「音楽の速さ」は、ローインパクトエクササイズには効果的な要因と考えられます。
各運動施設(フィットネスクラブや体育館でのグループエクササイズ)の指導者の年齢が若かったり、指導経験が浅い場合には、参加者レベルを把握できず(年齢やクラスの経験値など)で音の速さ(bpm)を上げてしまう傾向にあるようです。すると、必然的にこちらの変化要因は当てはまらなくなってしまうのです。
指導者はノリで bpm を速くするのではだなく、参加者の様子やクラスの内容を把握し、適切な速さでエクササイズができるように心掛けが大切です。
【指導者からの声掛けで意識が変わる!】
なぜ音楽に合わせて動くのか?ということを参加者に分かりやすく伝えていきましょう。
伝えるべき主なポイントは、
① 同じテンポで動くと運動強度が確保できること
② 正しい動き方や筋肉や関節の作用(分かりやすく!)
③ 筋バランスを良く動かすことができること(筋の出力、拮抗する筋肉など)
④ 動きに慣れてくると一定の運動強度が得られること
です。
また、決められた音の速さの中で行われる動きの反復回数と、再現性のある動作の関係を伝えていくことにより、集中力が高まり、効果的なエクササイズが期待できるという効果も必ず伝えるようにしましょう。
【まとめ】
グループエクササイズに慣れている方は、音楽に合わせて動くことは当たり前のように行いますが、初めての方は緊張で思うように体を使うことができないようです。しかし、慣れてくるにつれ、楽しみや心地よさを感じるようになり、ストレス解消が期待出来ます。
今はダンスエアロが主流になっていますが、時折このような音楽の使い方や効果をトークに盛り込んでいくと、楽しみながらより効果的なエクササイズタイムになると思います。
指導者としての知識(動きに対する裏付けの知識…運動生理学や機能解剖学など)と経験を生かし、より多くの方に音に合わせて動くことの楽しさと効果的な使い方も伝えていけるよう、現場に立っていきましょう。
【最後に…】
半年間 私のグループレッスンへの拘りにお付き合い頂きありがとうございました。こうして文字に起こすことで再確認出来る事が沢山あり まだまだ学びが必要だとひしひしと感じております。
また、読んでくださった方々から思いもよらぬ多くの嬉しいお言葉はこれからの私の大きな自信になります。
本当に感謝致します。
またどこかでお会い出来る日を楽しみにしております。
ありがとうございました。
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